「君は僕が汚い服装をすると、汚いといって軽蔑するだろう。また会に綺麗な着物を着ると、今度は綺麗だと言って軽蔑するだろう。じゃ僕はどうすればいいんだ。どうすれば君から尊敬されるんだ。後生だから教えてくれ。僕はこれでも君から尊敬されたいんだ。」

(「明暗」著:夏目漱石)

「ふむ、見るところ世界はね。自殺しなかった臆病者と自殺を思い浮かべなかった愚か者とでできているんだ。そして神から愛された無垢な生贄と勇気ある自殺者だけが救われて彼岸で右往左往する僕らを笑っているのさ。」

(            )