光に包まれ無数の花たちは
迷いのない瞳で明日を見つめてる
静かに見下ろす白いベールが
美しければそれでいいよ

(「美しければそれでいい」歌:石川智晶 詞:石川智晶)

[シムーン]

【大人になる】ということに色々な意味があるが、肉体的においても精神的においても、はたまた社会的においても、色々な次元における成人論というのは話のネタとしてはポピュラーなものといえるだろう。
シムーンは百合作品ではあるが、百合というものが単純に女性しか愛せない女性の性癖として片付けられる単純なものではないことからして、シムーンも「ああ百合だね」と片付けるべき作品ではない。
もっと言えば、シムーンにおいては我々男性自身もその対象とされているのも正しいことといえる。

なぜなら百合とは根本的に女性を愛するという単純さを超えて、自分の運命というか人生というか人間として限界を拒否する姿勢が、暗喩されている概念だと思うからだ。

ここらへん、レズビアンが性的欲求に限定された単純な快楽の方向性であるのに対し、【百合】が大きく異なっている部分だろう。

例えば40代同志の女性による百合はありえない。しかしレズビアンはありうる。
極言すれば、青年でありさえすれば、男女の恋愛さえも百合的でありことはありうるのである。

シムーンは大人になってしまった私にはノスタルジックな作品ではあるが、逆に、その渦中にいる前青年にとってはリアリティがあるかもしれない。
そのために、彼らには受け入れられない可能性が高い。渦中の人間は自己分析などできないので、問題を共有しているかどうか理解しないからだ。
彼らの中でもセンシティブで問題を顕在化せずにはいられなかった可哀想な青年だけがこの作品を愛するだろう。
それ故に、顕在化してしまった彼ら、彼女らと主人公のアーウィルとは重なる。
アーウィルは顕在化してしまい、選択をしたモノだから。

まぁモノというのは、この世界の人間は大人になるまで未分化の性だから娘とは言えないのだw

なんにせよ、作品が終わってみないとなんともいえないところではある。
願わくば、萌えしか解さない男性アニメファンに阿って、本来作品が持っていたテーマをぶち壊すような演出やサービスをしないようにしてもらいたいものである。
この作品は、出来がいい悪いは個々人の判断にゆだねるとして、扱う作品のテーマとしては初の試みだと思うし、もしかしたら次がないような作品だと思うからだ。

[錬金3級 まじかる?ぽか〜ん]

う〜ん、今回はあんまり面白くなかったなぁ。
この手のまったりしたブラックでも正統派でもないまったりギャグにはパロディとかコミカルとか合わないのではないだろうか?
他のアニメとの差別化という意味では、そこらへんにある出来の悪いコメディと同じような事をした所で「だからなんなんだ」と思ってしまう。
まぁ一部のキワモノ好きだけに受けても儲からないから、少しでもファン層を広げたいのかもしれないね。俺はつまらんが。