「全てを真実だなどと考えてはならない。すべてただ必然的だと考えねばならぬ。」
「憂鬱な意見ですね」、とKは言った、「虚偽が世界秩序にされるわけだ。」

(「審判」フランツ・カフカ)


悪の本質と言うものがあるとすれば、それは善とされる建前と個体の生物としての本音との矛盾にまで至る乖離こそがその本質だと言える。
よって、建前だけに生きるなら人間は窮屈に生きなければならないけれど、本音だけで生きるならそこには既に「人間」は存在せず、ただ毛のない野卑な霊長類がいるだけだと言えよう。
人間は、どんなときも悪を為す生き物であるという性悪説も、人間は善を為そうとする生き物であるという性善説も共に謝っている。
人間はただ、個体の充足を最大限にしようと振舞うだけであり、その振る舞いが善が悪かはその社会の規範によって判断されるものであるというだけのことに過ぎない。
ゲーム理論的な社会システムが、個体の充足を行おうとすると、他者の利益を損壊せねばならないような場合においては、彼は悪を為す事になろうし、充足を行うためには他者と協調せねばならないような場合においては彼は善を為すことになろう。
もちろん、彼の精神的充足が明らかにシステムそのものへの脅威になる場合もある。
それはあくまでゲームのプレイヤーたる彼の持っている行動アルゴリズムの種類が、組み合わせとして他のプレイヤーである者達の行動アルゴリズムの中ではどうあがいても不利益であるからであろう。
そのようなものが全く異なる他の文化圏(即ち、全く異なったアルゴリズム群を有する個体の集団)に放り込まれたなら、もしかしたら彼は善人として認められるかもしれないのである。
これは逆も然りである。
つまり、どんな善人も他の文化圏では悪たりうる。
大事なのは悪を必要悪として肯定したり、規範を強制したりすることではない。
真に為政者に求められるのは、そのような生物個体や社会的人格たる組織や法人の行動アルゴリズムを踏まえた上で、システム整備をし、行動を誘導することである。
とはいえ、現状の混乱と腐敗と停滞はその為政者自身が自己のアルゴリズムを自己制御できず、システム内で一方的勝者となろうとしている事に由来していることを鑑みると悩ましいのではあるが。

武装錬金

5話まで視聴。
かなり出来がよい作品ではあるが、原作を読んでいるとほとんど同じ話というか、朗読してるような感想を抱かざるを得ない。
漫画原作未読の人なら、かなりお勧めである。
あの魔法先生ネギまと同じXEBECが作った作品なのにこのクオリティの差はなんなんだろうか?
キングレコードはかなーり低予算でスタッフに無茶言ったんだろう・・・
さすが元パイオニアLDCのGENEONだけあります>配給元
OPの「真っ赤な誓い」はかなり熱い歌でこの作品の熱血ぶりにぴったりだし、かなり男心を刺激して昔のジャンプッ子だった頃を思い出させるよ、うん。
っていうか、武装錬金が売れない今のジャンプって少年誌としてはどうなんだろう?
今の男の子はこういう熱血なのダメなのかねぇ?
とっくん=斗貴子さんもヒロインとしては異質だけどねぇ。

こいこい7

単行本8巻購入。
かなり、本筋まで話が入り込んできて、早く続きが見たくなります。
花右京もそうだけど、最初おちゃらけで最後の方でシリアス鬱展開になるんだよなぁ。この作者
結局アスカ・ヤヨイは誰なんでしょうね?っていうか体と心がバラバラにされてるような気もしますが・・・
掃溜菊の君の特別トレーニングは俺も受けたいぞっとw

くじびきアンバランス

5話まで視聴。
5話は尺が足らない感じだけど、時乃がただの天然置き楽娘じゃなくて、実は中で色んな事考えてて、一生懸命天真爛漫に振舞おうとしていることが分かる回でした。
その事で他者を傷つけていることもあると分かっていて、そういうのに拒否感を示す蓮子たんをどうしたらいいの?って演出難しいよなぁと。
天真爛漫で明るいっていうのを嫌う人って多いですよね。意外に。
大体ちょっとひねくれた系で、ちょっと大人になるのを急いでて、自分は人より賢くて、ものが分かってるって人に多い気がします。
そっからもっと大人になると、いろんなものが見えてきて、本当に心の優しい人とそうじゃない人の区別がつくようになるんですが・・・まぁ10代だと仕方ないかな?

アニメ

けよりな(夜明け前より瑠璃色な)やギャラクシーエンジェる〜んMUSASHIなど作画が崩壊しているアニメが最近話題になりますが、皆さん大事な事を忘れています。
作画が悪くても面白いアニメは面白いです。問題はスタッフが面白いものを作ろうとしているかどうか?なんだと思います。
えてして、作画が悪いアニメと言うのは作画スケジュールがタイトで、締め切りに追われてひたすら作業するだけになりがちなので、作品を良くするまで手が回らず、結果としてやっつけ仕事になって、つまらない作品になるという感じがします。
逆に作画が良くても脚本が最悪だったり、スタッフの独り善がりの熱意で作業が進められたりすれば、どんなに予算が潤沢で作画が綺麗でもやっぱりそのアニメはつまらなくなるんです。
具体的な例を出すと苦情が来るかも知れませんが、ガンダムSEEDエウレカセブンゼーガペイン巌窟王コヨーテラグタイムショー、etc等は、作画はいいにしても中身が・・・
作画が悪くても、こいこい7ギャラクシーエンジェル3期、フロッグマンショー、天空戦記シュラト(いきなり年代下がるなw)みたいに面白いのもあるんですよね。
要は話が面白いかどうかなんだと思いますよ。うん。
シュラトは2クールめ糞つまんなくなったけどw
ちなみにらんま1/2とかうる星も作画としてはあんまよくないですよね。