譬えば、険難なる悪道を過ぎて珍宝の処に至らんと欲するに、一の導師が衆人を将い、この難を過ぎんと欲するに、将いらるる人衆は、中路に懈怠して、導師に白して言わく、「われ等は疲れ極まりて進むこと能わず。前路はなお遠し。今、退きかえらん欲す。」と。導師は方便力をもって、険道の中において一城を化作して、大城に人衆を休ませ、すでに止息することを得れば、化城を滅して、語りて言わく、「去来や、宝処は近きにあり。先の大城は、われの化作せるところにして、止息のためなるのみ」と

(「正しい法の白蓮 第七章-化城喩品」)


だが、近代人は、ある詐欺師のようにエメラルドの都に留まり続けようとするのである。