差し出すその手を つないでいいなら
どこまで行こうか 君と二人で

(「旅の途中」詞:小峰公子)

誰かのために泣ける人がうらやましい。

僕は人間を愛していないので、きっと自分のためにすら泣けないので、きっと家族が死んだとしても、涙すら浮かべないだろうから。
愛する事ができるという事は神様から与えられた祝福なのだと。
福音の本当の意味なのだと。
だから僕には永遠に救いはありえないのだと。

ナチスドイツの拷問の一つにただ穴を掘り、ただ穴を埋めさせるというものがあったという。
人はその無意味さに絶望し、苦悩し、病んでいくのだと言う。
そうだとしたら、ほとんどの人間は幸せだ。
心理学者がせせら笑うような単純な通路をネズミが迷路だと思うように
この世界を眺めていられるのだから。

そして今日も僕は穴を掘る...